岸和田市で行った雨漏り修理の様子をご紹介します。

N様邸は木造・２階建ての住宅で、屋根は土葺きです。
2階の洋室と、廊下の天井で雨漏りが発生して街の屋根やさん岸和田店にご相談をいただきました。

現地調査で屋根を確認すると、瓦がズレたり割れている箇所は無く、下り棟から雨水が入っている可能性が高いという見解で、下り棟の瓦を積み直すことになりました。

岸和田市N様邸の雨漏りの状況

2階の洋室と廊下の天井で雨漏りが発生して茶色い雨染みが残っていました。

洋室の雨漏りは広範囲に渡っている状態です。
屋根内部に浸入した雨水は、梁や柱、電気の配線などを伝い、あらゆる箇所で雨漏りが発生することがあります。


【雨漏りについて参考記事】
➡　雨漏り修理・雨漏り改修工事は街の屋根やさんへ
➡　確実な漏水箇所の特定のための散水検査

雨漏り箇所の上には下り棟がありました！

雨漏り箇所の上には下り棟がありました。

下り棟の瓦自体には割れなどの問題は無かったのですが、下り棟から雨水が入っている形跡が残っていたので、瓦を積み直すご提案をさせていただきました。

棟ってどの部分のこと？
棟とは屋根の頂点の水平部分のことで、軒先方向に向かって下りる棟を下り棟と言います。
棟は屋根面と屋根面との取り合いなので、隙間が生じます。その隙間から雨水が入るのを防ぐために瓦を積み上げているのですが、瓦の勾配が変わったり、不具合を起こすと雨水が入ってしまうことがあるのです。

下り棟から雨水が入るのを防ぐために、瓦をめくって新しい葺き土を載せ、きちんと積み直すことになりました。

部分足場を設置しました

下り棟の瓦をめくります！

それでは工事の様子をご覧ください。

まずは下り棟の瓦を1枚1枚めくっていきます。
N様邸の屋根は土葺きなので、瓦をめくると土が見えてきます。
この土のことを葺き土と言い、経年で乾燥して痩せたり雨水で流されることがあると瓦の固定力が低下してズレやすくなってしまいます。

乾燥した土は取り除き、粘り気のある土を敷いて瓦をしっかりと固定していきます。


【瓦屋根についての参考記事】
➡　4つのチェックポイントで 瓦屋根の点検・メンテナンスのタイミングを知ろう

棟瓦を固定するための銅線を仕込みます！

瓦補強用の長いビスに銅線をくくり付けて、そのビスを下地に向かって打ちつけます。
そうすることで、棟の中に銅線を通すことができます。

のし瓦を葺きます！

下り棟に新しい葺き土を載せてのし瓦を葺いていきます。

のし瓦とは四角くて平らな瓦のことで、屋根面の両側にそれぞれ葺きます。
のし瓦の断面がきれいに揃うように、木の定規をあてて作業しました。
のし瓦の取り合い部分には事前に仕込んでおいた銅線を通します。

一番上に紐丸瓦（ほもまるかわら）を葺きます！

のし瓦を2段積み上げた後、一番上に紐丸瓦を葺きます。

紐丸瓦は半月状の瓦なので、棟に蓋をする役割りがあります。
紐丸瓦との間に隙間ができないように葺き土を多めに載せて葺きました。

紐丸瓦の穴に銅線を通して固定しました！

瓦同士をシーリングで固定しました！

この工事で銅線で瓦を固定しましたが、棟は風や揺れの影響を受けやすいので、シーリングを充填して補強しました。

シーリングで瓦同士を繋いで固定することを「ラバーロック」と言います。
葺き土が痩せて瓦が動きやすくなっている場合、ラバーロックで補強する方法が用いられます。
ラバーロックの工法を間違えると雨漏りすることがあるので、信頼のおける業者に依頼しましょう。


【関連記事】
➡　屋根工事と雨漏り補修に必要なシーリングやコーキングの種類と使用法
➡　地震と強風に強くなる!?瓦屋根のラバーロック工法のメリットとデメリット

漆喰（しっくい）を詰めました！

谷樋（たにとい）の漆喰も詰め直しました！

現地調査の時に、谷樋の漆喰が剥がれてきているのを見つけたので、この工事で詰め直しました。

谷樋は屋根の谷部分に設置する雨樋（あまどい）のことです。
ふたつの屋根面からの雨水が流れ込むので雨漏りのリスクが高く、不具合を起こすと雨漏りしやすい箇所です。
漆喰が剥がれると雨水で葺き土が流れて瓦の固定力が低下してしまうので、この機会にきちんと処置しています。


【岸和田市N様邸の現地調査はこちら】
➡　岸和田市の雨漏り修理で下り棟の瓦を積み直すご提案です！

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