熊取町の台風被害の調査でセメント瓦の屋根の調査にお伺いしました
熊取町のN様より、屋根点検のご依頼があり現地確認にお伺いしました。
「台風で屋根の瓦が浮いたりズレているようなので、点検してもらえませんか?」とのご相談です。
N様邸の構造・・木造、2階建て
屋根葺き材・・土葺き・セメント瓦
外壁の仕上げ・・モルタル塗装仕上げ
雨漏り・・なし
N様のお困りごと・・台風被害で屋根に瓦の浮きやズレが生じ、心配なので点検してほしい
街の屋根やさん岸和田店では、屋根の現地調査時にできるだけ屋根の上に上がって確認させていただきますが、2階以上の住宅だったり、梯子を立てる場所が無かったり、屋根が急こう配で危険だと判断した場合は当日屋根に上がれないことがあります。
その場合、できる範囲で調査をさせていただき、修理のご提案ができるか確認し、難しいようであれば別のご提案(ドローン調査や足場設置など)でご検討していただくことになります。
N様邸はセメント瓦を葺いた屋根です。
屋根に上がって確認すると、幸い瓦の飛散は見受けられませんでした。
●●●● セメント瓦について ●●●●
セメント瓦は簡単にお伝えすると、セメントと川砂を混ぜて瓦の形に形成した屋根材のことです。
もともと吸水性があるため、表面に塗装を施して防水性を持たせています。塗膜が劣化すると雨水を吸い込むようになり、瓦自体が脆くなってしまいますので、劣化が進む前に定期的な塗り替えでのメンテナンスが必要です。
この角度から見ると、屋根に異変は無いように見えますが、調査を進めると「降り棟」に被害があることが分かりました。
●●●● 屋根の棟って? ●●●●
「棟」とは、屋根の三角になった頂点のことです。
水平方向の棟を「水平棟」または「大棟」と言い、
軒先方向に向かって降りる棟を「降り棟」と言います。また、棟に葺く瓦をまとめて「棟瓦」と言います。
棟は屋根面の先端がぶつかり合う部分で、その取り合いを雨仕舞するために瓦を積み上げています。(施工される屋根材によって板金を取付けることもあります)
角度を変えて降り棟を確認すると、冠瓦(半丸状の瓦)がズレていることが分かりました。
台風の強風を受けて浮き上がってる箇所もあります。
更に、上から確認すると、降り棟の冠瓦が横方向にズレて波打っている様子がうかがえます。
瓦のズレ方を見るとどの方向から風が吹いたかよく分かりますね。
棟は屋根面から突き出る形状で葺かれていますし、
屋根の高い位置にあることから、普段から風の影響をたくさん受けています。また、地震が発生した時にも揺れの影響を大きく受けてしまうため、棟瓦に銅線を通して固定されていることがほとんどです。
N様邸の棟の冠瓦も1枚1枚銅線で固定されていたので、ズレは生じましたが、幸い瓦が飛散するまでには至っていませんでした。
⚠ 銅線は経年で劣化するものです。
屋根の上の過酷な環境下に置かれているうちに、銅線が緩んだり切れることがあり、
その状態の時に強風を受けると瓦が飛散しやすくなってしまいます。
自然災害での被害を最小限に抑えるためにも定期的に点検しましょう!
降り棟を軒先方向から確認すると、冠瓦が浮いて隙間があいている様子がよく分かります。
N様邸の棟は冠瓦の継ぎ目にシーリングを点付けして繋いで補強されていましたが、強風で瓦が動いた時に切れてしまったようです。
◆◇◆◇ 冠瓦飛散したり、ズレるとどうなるの? ◇◆◇◆
棟の頂部に葺かれている冠瓦は、棟の隙間を覆って雨水が棟内部に浸入するのを防止する役割があります。
冠瓦が飛散したりズレが生じて隙間があくと、そこから雨水が棟の内側に浸入して雨漏りの原因になることがあります。
また、土葺きの屋根は土を下地にして瓦を密着させて葺いている為、雨水の浸入により葺き土が流れて棟の耐久性が低下し、強風や地震で崩れやすくなってしまいます!
棟には「かき合い」と呼ばれる部分があります。
かき合いとは・・数本の棟が合流する部分
角度を変えて確認すると、かき合いの役物瓦がズレて浮き上がっていることが分かりました。
水平棟と降り棟との取り合い部であるかき合いは形状が複雑で、隙間が大きくあいてしまいます。
陶器瓦の場合、水平棟の先端に鬼瓦という装飾瓦を葺いて、かき合い部分に漆喰を詰めて雨仕舞していることがよくありますが、N様邸はかき合い部分の形状に合わせてつくられた役物瓦を葺いていました。
かき合いの瓦も同様に、ズレが生じると、そこから雨水が浸入して雨漏りしたり、
雨水の浸入で下地の葺き土が流れて瓦の固定力が弱くなる危険性があります。
☆☆ M様邸の屋根修理のご提案内容 ☆☆
1.部分足場の設置
2.瓦のズレ・浮きの補修
3. 棟の冠瓦の銅線の締め直し
4.今後の自然災害に備えて棟瓦をシーリングにて補強
以上の作業内容でお見積書をお預けし、工事のご依頼をいただきましたので、後日着工となりました。
次は屋根修理の様子をご紹介します。
N様邸のように、下から屋根面を確認することができれば異変に気付くことができますが、
建物の高さや立地条件で屋根面が全く見えない場合もあります。
☆ 屋根面が見えなくて心配されている方は街の屋根やさん岸和田店にご相談ください!
9時~19時まで受付中!
0120-169-747