泉大津市の屋根修理/崩れた降り棟の修復で銅線でしっかりと固定
泉大津市で台風21号で屋根に被害があり、現地調査を行いました。工事が始まるまでに時間がかかることを心配されて、ブルーシートで仮養生していましたが、数か月後の工事着工の日には土のうの袋が破れて土が見えている状態でした。
土のうの袋やブルーシートは丈夫なものを使用しても永久的ではありませんので、紫外線や雨風の影響で破れてきてしまいます。
日当たりがいい場所の土のうは傷みやすく、また、急こう配の屋根の養生で土のうを吊るしている場合は常に袋に荷がかかっていますので破れやすいのです。
台風から約5カ月が経ち、街を歩くと土のうが破れていたりブルーシートも擦り切れているのをよく見かけるようになりました。
破れた土のうから土が流れて下にある軒樋の中に溜まっていたので、工事の終わりにきれいに掃除します。
M様邸は台風で大屋根(一番高い屋根)の降り棟(軒先に向かって下りる棟)が崩れてしまいました。
修復工事では、降り棟の崩れた部分を積み直して復旧します。
棟と積み直すとなると、被害が無かった部分の棟も一度解体する必要がありますのでその分工事費用がかさんでしまいます。
棟を点検すると残った部分はしっかりとしていたので崩れた部分の復旧工事のご提案となりました。
棟は屋根の高い位置で積み上げられており風や地震の影響をまともに受けてしまいますので、崩れないように銅線などを通して固定しています。その銅線が月日と共に緩んだり切れるとこのように崩れる原因となります。
棟は下地に葺き土やなんばん(漆喰)をのせて瓦を密着させながら積み上げていますが、葺き土は経年で乾燥して痩せてきます。そうすると、瓦を固定している力が弱くなりますので、ズレやすくなります。
瓦の復旧では、湿り気のある新しい葺き土をのせて瓦を積み上げます。
先ほど棟が崩れないように銅線で固定しているとお伝えしましたが、その工程をご紹介します。
棟は二つの屋根が合流する部分です。その真ん中に下地を入れて銅線を通しておきます。そして、この上に葺き土をのせて、さらに瓦を積み上げ、下に通しておいた銅線を棟の周囲に回して固定します。
下地の木と鬼瓦を銅線で繋ぎ固定しておきます。
鬼瓦は大変重いので、このように銅線で固定し、取り合いを漆喰で仕上げます。
棟の固定用の銅線を通し、その上に葺き土をのせて、四角いのし瓦を屋根の両側に積み上げていきます。
そうすると、その重みで銅線か押さえられて固定できます。
のし瓦を数段積み上げて、一番上に冠瓦をのせ、
新しい葺き土にしっかりと密着させます。
最後に通しておいた銅線を棟の周囲に回して頂部で繋いでしっかりと固定します。この銅線が緩むと棟が崩れやすくなりますので注意が必要です。
棟を積み上げて銅線で固定してから、屋根と棟の取り合い部に漆喰を詰めます。
漆喰は、この部分から雨水が大量に浸入するのを抑える役割があります。漆喰がないと下地の土がむき出しになり、雨で流れてしまい棟の崩れや雨漏りの原因になります。
棟と鬼瓦の取り合いにできる隙間からも雨水が入ることがありますので漆喰を塗って防水、及び固定します。
この漆喰が剥がれてくると雨水が入ったり、鬼瓦が動きやすくなります。
下屋の棟瓦は崩れてはいませんでしたが、冠瓦が横にずれていました。
これは、棟瓦を固定している銅線が緩んでいたことが原因で、下地の土も痩せていました。
ズレを戻すだけではまた同じことになりますので、一度冠瓦をめくって固定しなおします。
冠瓦をめくって、下地の土の代わりになんばん漆喰をのせて冠瓦を戻して銅線でしっかりと固定します。
他、割れた平場の瓦は差し替えてめくれ上がった瓦は下地の土を入れて密着させました。
屋根の瓦の修理がすべて終わってから軒樋を清掃します。
土葺きの瓦の修復工事では、少なからず下地の土が落ちます。M様邸は養生の土のうの土も落ちていたので樋にたくさん土が溜まっていました。
屋根の上や谷樋(屋根の谷部分の樋)もきれいに掃除して工事完了です。
屋根の修理が無事終わり、M様にもお喜びいただけました。
街の屋根やさん岸和田店は、瓦の屋根の修理なども承っておりますのでお気軽にご相談ください。
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